2016年10月27日木曜日

ワルシャワ大学日本祭

26, Pazdziernik, 2016
sroda

深夜まで部屋で話したり、

こんな絵を描いてもらったり、

寮の廊下でサッカーしている男子学生がいたり(!)、

フランス留学中の友人と話を共感し合ったり、

授業で「universal conceptは存在するか」という話題になったときに、「日本人は青と緑の区別をしないらしいけど?」「え、じゃあ空は青くないの!?」と言われて、そんなことない!しかも青にも緑にもいろんな名前があるんだぞって議論になったり、と楽しくやっております。

本題はこちらです。
イラスト…話題に

主催のワルシャワ大学が毎回テーマを決め、日本からテーマに沿った研究をされている先生を招待し、ワルシャワ大学の先生も含めて各20分で研究内容を発表する、という学会(ということにしておいてください、と言われております)に参加しました。

参加に至った経緯は、クラクフの大学で日本学科の院生の指導をされている先生の紹介です。
このブログを見てくださっているであろう何人かの方はご存じかと思いますが、その先生は私の大先輩で、同じ学部学科専修から、同じくワルシャワ(大学院)に留学された女性の方です。しかもポーランド語での留学。先輩だなんて言えないです!
日本でお会いしてからもう本当によくしていただいて、研究者・先生としてはもちろん、人としても美しくて憧れる方です…「あなたのこと苗字じゃなくてお名前で呼んでもいいかしら?」とか「甘いものが大好きだから一緒に食べに行きましょう」とか(2回行きました)、「一緒に写真を…あら、私のうつりが良くないから良くなるまで撮るわね」など、時々お茶目なところも大好きです。

先生の紹介はここまでにして、授業の関係で私が聞けたのは4つ。文学、言語学、言語教育のセッションです。日本からの先生お二人と、ワルシャワ大学の先生お二人(一人は日本語、一人は英語での発表)でした。
「日本古典研究における昭和50年~60年代」
「日本古典研究の〈戦後〉―国文学と漢文世界」
「日本語授業におけるビジターセッションの意義―広島市被爆体験伝承者を迎えて」
「Ethnolinguistics of the early Showa: Nikolay Nevskiy and his study of Miyakoan variaies」

20分かつワルシャワ大学日本学科の学生も聞きに来ているということもあって、難解でない、深くつっこまないで、研究の枠組みを説明してくださったような印象を受けました。ただ、知らなかったこと、もっと知りたいこと、改めて気づいたこともありました。どこまで書こうか、、、といってもただのどこにでもいる学生の身分からレポートするほどの内容ではないなと今思ったので、心の中にしまっておきます。
でもひとつだけ。「本文に忠実に」、古典を読む際には特に忠実に、っていうことを、はじめの二つの発表から、改めて気づかされました。
その作品のその中のこの文章は、時代背景がこうで社会がどうで、この言葉の役割はこうで、こういうふうに対応していて、時には漢文の知識や中国(諸外国)の作品を探して引っぱってくる必要がある。第二発表者の先生は「バイタリティー」とおっしゃっていましたが、そういう姿勢が古典の意味を考えるうえでも重要だと、ワルシャワに来て改めて感じました。

そのあと私の授業後に、クラクフの先生とお会いする約束でしたが、なんとなんと発表された先生もいらしてくださって、3人でさまざまおしゃべりしながらパンケーキを食べました。しあわせ。発表者の先生は2年前に私の大学で一つ授業を担当されていたそうです…

2016年10月23日日曜日

ウッチと博物館と博物館

23, Pazdziernik, 2016
niedzela

10月後半から11月にかけては、ワルシャワはほとんど雨かくもりだそうです。新しい折りたたみ傘をついに購入いたしました。
先月までの暑さと青空はどこへ行ったのやら…天気鬱にならないようにがんばります。

先週と昨日と、いつものルームメイトたちとあるところへ出かけました。
先週は、Lodz(ウッチ、ごめんなさい、ポーランドのアルファベットではないです。)に行ってきました。バス会社はいくつかあるのですが、Polski Busという会社がポーランドではいつも紹介されるので、それを利用しました。ポーランド国内だけではなく、隣国発着のものも出ています。往復で25zl(約750円)です~安い~

ウッチは、ポーランド第三の都市で、もともとは繊維産業で栄えたそうです。ずっとまっすぐのびる一本の大通りと、赤レンガの複合商業施設が有名です。





観光地化はしていなかったので、7時間ほどいましたが時間を持て余しました。が、みんなで行くことに意味がある!ということで、非常に楽しかったです。

そして昨日はふたつの博物館に行きました。Muzeum Etnograficzne(民族博物館)と、Muzeum Historii Zydow Polskich(ポーランド・ユダヤ人歴史博物館)です。
率直な感想は、展示資料の数で勝負しているなってことです。
この前行った文化科学宮殿も、今思えばそうかもしれないけれど、これでもかーっていうくらいに、展示の数が多い。だいぶお腹いっぱいです。前者は3時間ちょっと、後者は4時間(閉館時間になってしまって、最後かけ足)で見ました。

とくに興味深かったこと
・(民族博物館)
ポーランドの伝統的衣装と、フットボールの展示がミックスされている
この博物館は、ポーランドの民族衣装の展示がメインになっていて、他にも伝統的な楽器やダンスをしているマネキン、昔の道具なども展示されています。
それとは別に、フットボールコーナーが設置されていて、歴代のFIFAのメダルや活躍した選手のTシャツやサイン入りのスパイク、旗、とにかくサイン入りで価値が高そうなものが展示されています。ここでも民族衣装。それが斬新だなぁと。



 ・(ポーランド・ユダヤ人歴史博物館)
ひとこと、手が込んでいる!
ちから入っているなぁと思いました。観光客が多いからか、ちゃんと英語表記かつ多言語表記があった、、、!
どうだ!って展示しているだけでなく、映像資料や模型など、工夫(をしようという試み)が感じられました。行く価値ありだと思います。歴史とともに、ポーランド系ユダヤ人の1000年間を学べます。8つのセクションに分かれていて、ひとつひとつが濃くて長い。
しかし!学生割引でたったの1zl(約30円)、最高。








2016年10月19日水曜日

いろいろなこと

18, Pazdziernik, 2016
wtorek

授業前に、コートと傘をここで預けなくてはいけません。
あ、図書館もです。
教室の廊下を歩いていると、Hey!と声をかけてくれる人が増えました。名前も覚えてくれました。だからといってどうってことはないのですが、このルールを教えてもらったので。

あと、東洋学部中国語学科のポーランド人(私と一緒の授業を受けている)に、中国人留学生を紹介してもらったら、なんと、寮でよく一緒に料理している学生だった…しかも鶏肉をくれた…すでに知り合っていた…世界はせまい…
ついでに、彼女に限らず中国から来る人って、一度に3、4品も作ります。そんなに食べるの!?ていうくらいに。しかも鶏がらスープから仕込んでいる日もあって、びっくり。その彼女は一緒になるといつも味見させてくれますが、おいしいぃぃ!たしかに中華料理って何皿も出すか、と思ったり。


あと数日で、ポーランドに来て1か月経ちます。

異国だからか、何もかもが初めてだからか、ここに来て感情の振れ幅がやたらと大きくなりました。
友だちができた、ポーランド語が通じた、振込ができた、同じことで笑えた、いい写真が撮れた、洗濯ができた、お米がつやつやに炊けた(鍋でですよ!)、食べ物がおいしい、青空がきれい、向こうから挨拶してくれた…嬉しいことはとことん嬉しいし、楽しいときはとことん楽しい。日本だったらそんなことでこんなオーバーリアクションにならないだろうってくらい、ささいなことにも何かしら感じる(感じてしまう?)ようになりました。

その分だけ、いやそれ以上に、何ともいえない複雑な感情に、毎日毎日悩んだり、もがいたり、自問自答したり、することも多くなりました。
日本で友だちがどんどん社会に出るなり海外に挑戦するなり活躍していくのを見ていると、1年間学生期間を延ばしてまで、お金と時間をかけて行かせてもらっているのに、私だけポーランドで取り残されていきそうでこわいって、毎晩思いました。←ここ、過去形ですからね(笑)

でも、自分の「わからない」のレベルが日本とちがいすぎてどうしよう!っていうショックと、初めて授業で発言できて、初めて小テストで満点がとれた、つまりわかった!ときの感覚、両方を味わうことが、今ポーランドでできています。特に後者は嬉しかったなあ。
「わからない」から来る不安て、とてつもなく苦しいけれど、それを認めながら、かつ自分でもわかるように努力しながら、学問はもちろん、生活力人間力も向上していきたいと思えるようになりました。

1か月は、、、別に長いとも短いとも思いません。1か月は1か月でした。

そしてここまで抽象的なので、授業で何をやっているのか書きます。あ、あえての日本語です。

1、哲学への導入
テキスト指定。毎週1章ずつ(25~30ページ)読んでいくと、全授業回数内で読み終わる、という仕組み。テキストは易しい。辞書なしで読める入門書。会話や哲学者の思考から、各章の最後が関連するexerciseになっているので、授業内ではそれをみんなで話し合う。最近のテーマは、
「口約束は有効か」
「100回中51回成功、49回失敗の場合、成功と言えるか」
「トマトは野菜か果物か」
「音楽は言語か」
先生がやたらと東洋に興味があるらしく、いっつも指名してくる。
初めてAmazon海外版で本を注文した。寮までは届けてくれなかった。

2、記号論
難易度最大。先生のwebからリーディング課題(20ページ)を各自ダウンロードして読んできて、20分の小テストをする、という仕組み。そのwebサイト、英語とポーランド語両方で書いてあって、どちらも流暢ですごい。しかも先生の研究や経歴なども紹介されていて面白い。私の10歳年上なことも。今までのリーディング課題は、
J.Sミル A system of Logic, Ratiocinative and Inductive
フレーゲ On Sense and Reference
ラッセル Descriptions
ものの名前をどうつけるか、ラベルなのかそうでないのか、名前の分類方法(固有名詞か、同じJohnでも人間が違う場合は、)など。1回1回が完結するのではなく、先週のことがつながっているのがいい。ただ、脳が沸騰する。唯一日本語のメモをしてから英語に変換せざるを得ない授業。

3、文化人類学から考える哲学の価値
リーディング課題あり(5~20ページ)、小テストなし。主にイギリス経験論と大陸合理論の哲学者をざっと説明して、その先はどうなるのでしょう、なかなか統一感が見えないけれど、「啓蒙」好きな先生。毎回ひとりの学生が司会者になって、次週のリーディング課題になっている哲学者の基本情報を調べて発表して、気になったところからディスカッションする授業。読んだのは、
フッサール The Crisis of European Sciences
カント What is Enlightenment?
フーコー What is Enlightenment?
いちばん留学生が多い。

4、ポーランド語
よくある語学の授業。自己紹介と挨拶はできます。数字は特訓中。でもお店でポーランド語で値段を言われても払える機会が増えた。読めても書けないのでそれも練習中。隣の台湾の女の子と一緒に頑張っています。「台湾ほんとに好きで、2回行ったよ!」「私も日本行って、これ買ってきた!」→水筒とクリアファイル。名前がわからないけど見たことある猫のキャラクター。

ポーランドでの目標をいくつか立てて来ましたが、軌道修正しなきゃいけないものも出てきて、ちょっと模索中です…もうちょっと詰めてから報告したいと思います。

最後に。

ドアに貼っておいてくれた、ルームメイト(4人部屋、隣にいるトルコの子)からのメッセージ、、、
泣いちゃいますねこれは。

2016年10月15日土曜日

文化科学宮殿とその周辺

14, Pazdziernik, 2016
piątek

ポーランドで何がおいしいって、小麦。
だからピエロギもクレープ(甘くない、食事としての)もパンもパンケーキもおいしいのだなぁと感じる。
クレープ。図書館の食堂にて

クレープ。図書館の食堂にて

ポテトパンケーキ。ポーランド料理チェーン店にて


ずっと行きたかった場所のひとつ、文化科学宮殿に日本人の友人と行ってまいりました!
文化科学宮殿はスターリンから贈られたものだそうです。
写真じゃ良さが伝わらない。私はこの建物がなぜかすごーーく好きです。ため息でます。通るたびに写真を撮ります。そして文化と科学の宮殿、という名前!もうほんとに大好きですこの建物。

で、学生割引を使って中の博物館を見てきました。
ポーランドの科学の発展の歴史がわかる展示になっていて、生活・交通・電気・印刷・機械・通信・天体などのカテゴリーにわかれて展示がされています。ポーランドにお越しの際にぜひ一度訪れていただきたいので、たくさん写真を撮ったのですが、あえてお楽しみということでここでは厳選します。↓
交通。エンジンとか飛行機とか

印刷

炭鉱。奥に図書室あり(しかし今日は休み)

通信

生活。機織りとか洗濯とか台所とか

写真

説明もパンフレットもポーランド語で理解が厳しい部分もありましたが、とってもおもしろかたです!
日本では見たことのない機器がたくさんあって、大興奮でした。大人も子どもも楽しめます!

小さい頃は知らないことが多くて、博物館に行くとすごく楽しかった記憶があるけれど、最近はもういいやって少し敬遠して、美術館や〇〇展にシフトしていましたが、幼少期のすごーいっていう気持ちを思い出した感じ。特にキッチンのコーナーとオルゴールのコーナーはかわいかったです。友人はアンティークさに惹かれて、家に欲しいとかなんとか言っていた、、、私は見るだけでよいです。一般は20zl(約600円)、学生は15zl(約450円)です。行く価値ありです。
---10/21 追記
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1604/20/news128.html
日本科学未来館の展示のありかたについて
---

そのあとは旧市街を探索して、おしゃべりして、帰りました。
彼女も日本から1人でポーランドに来た学生で、寮も1人部屋で、色々大変なこともあったようです。授業は100人くらいの講義形式で、中国韓国からの学生が多いらしいです。良くも悪くも日本で受けていた頃と変わらない…と彼女がぽつり。でも学部の特徴や学問の特性にもよるし、ゲストティーチャーを招いているみたいだし、最後は力がついていることを信じてめいっぱい吸収しなくては。私も含めて。授業ひとつとっても様々だなあって思いました。

ポーランド陶器。35(約100円)~80zl(約2400円)で買えます。

思ったよりお手頃価格だと思います。村に行けばもっと安く買えます。





2016年10月13日木曜日

ワルシャワ大学図書館 その2

12, Pazdziernik, 2016
środa

こんな感じで、各棚に表示がされています。
最初は(というか今も)これだけ見てもさっぱりわかりません泣
でもはじめのアルファベット2文字は、他の図書館でも共通して使われていることが最近わかりました(Philosophyは、BLらしい)。




話によると、青いラベルが英語の資料で、白いラベルがポーランド語の資料だそうです。
東洋学部もあるので日本語の資料や中国語の資料もありますが(探しにくい)、ラベルの色は違いました(色は忘れました)。色以外の区別はなく、ひとつの棚に複数の言語の資料が混在していることもあります。

報告というよりただの感想しかないのですが、、、
まだ今はphilosophyの棚と、お気に入りの勉強スペースがあれば事足りております。あ、自習している学生は少ないです。日本にいたときほど席取りに必死になることはありません。でもテスト前はすごいのかなぁと思ったり。


しかし?、屋上庭園は美しいです!ネットでもいろいろ出てきますが、写真をば。








海外(特にヨーロッパ)の図書館の予備知識のなさに落胆、、、

ワルシャワ大学図書館 その1

12, Pazdziernik, 2016
środa

やっと図書館の報告ができます。

ワルシャワ大学図書館http://www.buw.uw.edu.pl/en/です。ライブラリーツアーに参加しました。
ツアー自体は英語でしたが、スタッフ全員が英語を話せるわけではないし、案内表示はすべてポーランド語です。英語表記はありません。






←中に入ると4つほど食堂やカフェが入っています。
              
 ここまでは誰でも入れます。ちなみに大学構内には学食はひとつあります。


入口





上の写真、左側に大型クッションがあるのわかりますか?ここで学生は寝たり読書したりごろごろしたりできます。

日本の茶室もあります。


私は困惑しております。日本の図書館しか利用したことがないせいか、非常にわかりにくい。

↓フロア案内。※印をつけた写真をよく見ていただきたいのですが、philosophy、architecture、のように、学部ごとっていうのかな、学問ごとに配列されております。その学問の名前もポーランド語。なんとなくわかるけど。